
会社設立
会社設立時の経理でやること11項目|設立前の準備とfreee会計の活用
川越・ふじみ野エリアの税理士事務所「ワタリエ会計事務所」です。会社を設立して事業を始めると、請求書の発行や経費の支払い、給与計算など、さまざまな経理作業が必要になります。営業活動が始まると、忙しくて経理が後回しになることも多いので、設立前から準備できることは先に考えておきましょう。
経理は、どのような方法で進めるかによって、日々かかる手間が変わります。クラウド会計、特にfreee会計をうまく活用すれば、日々の作業を減らし、資金や利益の状況を素早く把握できるようになります。
この記事では、これから会社を設立する方・設立したばかりの方に向けて、経理の準備とfreee会計の活用方法を11項目にまとめました。これらを組み合わせて取り入れることで、入力や書類整理、振込の手間を減らし、日々の経理をすっきり進められます。
- この記事のポイント
- 設立前にやること(1〜3)
- 1. 設立前後の支払いに使えるクレジットカードを用意する
- 2. 金融機関に口座開設や創業融資について相談する
- 3. 設立前後に個人で立て替えた費用を整理する
- 設立後に準備すること(4〜11)
- 4. 法人口座を開設し、ネットバンキングを契約する
- 5. ネット銀行の口座も検討する
- 6. freee会計を契約し、口座・カードを連携する
- 7. 請求書の発行と売上の管理方法を決める
- 8. 法人カードを使い、現金の管理や立替精算を減らす
- 9. 事業用の買い物にAmazonビジネスを活用する
- 10. 取引先への振込をまとめて処理できるようにする
- 11. 給与計算と給与振込の方法を決める
- まとめ
- よくある質問
- 設立前に個人で払ったものも、会社の経費にできますか?
- 経理はいつから始めればいいですか?
- 関連記事
- ご相談はワタリエ会計事務所へ
この記事のポイント
設立前には、当面の支払いに使うクレジットカードの用意や、金融機関への相談を進めておきましょう
法人口座や請求書の発行は、事業開始に間に合うように準備します。会計ソフトへの入力は、準備期間の分をあとから記録することもできます
ネットバンキングは、会計ソフトとの連携と、振込ファイルを取り込める総合振込・給与振込に対応しているかを確認して選びます
預金口座・カード・売上のデータをfreee会計に連携すると、日付や金額を入力する手間を減らせます
法人カードやAmazonビジネスを活用すると、立替精算や購入書類の保存にかかる作業を減らせます
設立前にやること(1〜3)
1. 設立前後の支払いに使えるクレジットカードを用意する
クラウドサービスなど、法人向けのサービスにはクレジットカードでしか決済できないものがあります。法人カードは申込から発行まで時間がかかり、審査結果によっては希望するカードや利用枠を用意できないこともあるため、設立前のうちに、当面の支払いに使うカードを用意しておくことをおすすめしています。
事業用に使うカードは事業専用にして、私生活の支払いと分けておくことをおすすめしています。freee会計に連携したあとで、事業用と私用の明細を区分する手間を減らせます。
なお、個人カードで会社の費用を立て替える場合は、事業利用に関する会員規約にご注意ください。
2. 金融機関に口座開設や創業融資について相談する
法人口座は、一般には登記が完了してから申し込みます。ただ、取引したい金融機関が決まっている場合は、設立前から相談しておくことをおすすめしています。
設立する会社の概要や、口座開設・創業融資の希望を伝え、必要書類や申込時期を確認しておくと、設立後の手続きを進めやすくなります。地域の信用金庫や地方銀行から融資を受けたい場合も、この段階で相談しておくといいでしょう。
設立後、口座開設が思うように進まず、取引先への振込先の案内が遅れるケースもあります。事業開始の日程に余裕を持って準備しましょう。
3. 設立前後に個人で立て替えた費用を整理する
会社設立前や、法人口座・会計ソフトを用意する前の支払いは、いったん個人のお金で立て替え、領収書や請求書などを保管しておけば、会計ソフトの導入後にまとめて記録できます。そのため、設立前から急いで会計ソフトを契約する必要はありません。
会社が負担する支出は、内容に応じて法人の帳簿に計上します。役員が立て替えた金額は役員借入金として記録し、あとから法人口座から役員へ振り込んで精算します。
設立後に準備すること(4〜11)
登記が完了したら、売上の入金や請求書の発行ができるように準備します。会社の入出金には法人口座を使い、個人のお金と区分して管理しましょう。
4. 法人口座を開設し、ネットバンキングを契約する
登記が完了したら、金融機関が求める書類を用意して法人口座を申し込みます。地方銀行や信用金庫などで口座を開設する場合は、あわせてネットバンキングも契約しておきましょう。
法人向けネットバンキングには月額利用料がかかる場合もありますが、対応するサービスをfreee会計に連携すると、銀行の明細を自動で取り込めます。通帳を記帳するためにATMへ行ったり、コピーを取って税理士に渡したりする手間を省けます。振込も、銀行の窓口やATMに行かずに手続きできます。
ネットバンキングに複数のプランがある場合は、会計ソフトとの連携に加え、振込ファイルを取り込める総合振込・給与振込に対応しているかを確認して選びましょう。会計ソフトや給与計算ソフトから出力した振込ファイルを取り込めれば、振込先や金額を1件ずつ銀行の画面に入力する手間を省けます。
5. ネット銀行の口座も検討する
店舗のある金融機関を利用する場合でも、ネット銀行の口座を1つ持っておくことをおすすめしています。振込手数料が比較的安いことが多く、メインの金融機関のサービスに障害が起きたときの備えにもなります。
私たちがよくご案内しているのはGMOあおぞらネット銀行です。法人向けの機能が充実しています。
設立前の予約申込に対応。登記完了前から申込・審査を進められる法人口座予約申込があります。フリー支店も、freee会社設立から設立前に申し込めます。口座の利用開始には、登記完了後の手続きが必要です
Pay-easy(ペイジー)に対応。国税や社会保険料などの電子納付に使えます
日本政策金融公庫の返済口座にできる。国民生活事業・中小企業事業の融資金返済の口座振替に対応しています
総合振込・給与振込に対応。取引先への支払いや給与の振込を、1件ずつ入力せず、まとめて依頼できます
請求書の取り込みから振込・記帳までfreeeで完結(フリー支店限定)。freee会計にアップロードした請求書をもとに「freee振込」で振込を行い、支払後の記帳までfreee内で進められます。ネットバンキングとの行き来を減らせるため、freee会計を使う方におすすめしています
6. freee会計を契約し、口座・カードを連携する
freee会計を契約し、決算月や消費税の区分など、会社の状況に合わせて基本情報を設定します。法人口座ができる前でも利用を始められるので、請求書の発行が先に必要なら、その時点から契約してもかまいません。支払管理や経費精算など、使いたい機能が契約するプランに含まれるかも確認しておきましょう。
法人口座や事業用のクレジットカードを連携すると、利用日・金額などの明細が自動で取り込まれます。勘定科目や税区分などはfreee会計が推測するため、内容を確認し、必要な修正をして登録する形で記帳を進められます。
毎月の家賃やクラウドサービスの利用料、取引先からの入金など、繰り返し発生する取引には自動登録ルールを設定できます。最初の1〜2ヶ月でこうしたルールを設定していくと、その都度同じ内容を入力する手間を減らせます。
7. 請求書の発行と売上の管理方法を決める
請求書を発行する取引では、freee会計と連携するfreee請求書を利用できます。作成した請求書をPDFで送付でき、請求情報をfreee会計の取引に連携させられます。入金後は、銀行明細と対応する請求の取引を確認し、入金済みとして処理します。未入金の請求も確認しやすくなります。振込手数料が差し引かれて入金された場合も、差額を確認して処理できます。
請求書の件数が多い場合や、見積・受注・発注まで案件単位で管理したい場合は、freeeと連携できる案件管理ソフトの利用をおすすめしています。freeeシリーズならfreee販売、freee以外では比較的手頃な料金で使えるboardなどが候補になります。案件ごとの粗利や、先々の受注の見通しも把握しやすくなります。
特に、建設業のように外注費や材料費の支払いが売上の回収に先行しやすい業種では、資金繰りの見通しが重要です。受注・発注の状況を資金繰りの計画に反映するためにも、案件管理ソフトでの管理をおすすめしています。
店舗など、請求書を発行せずに販売する事業では、売上データをfreee会計へ連携します。SquareやAirレジなどのレジサービスは、自動連携に対応しています。
ECでは、たとえばAmazonで商品を販売する場合、freee会計の標準機能で売上データを自動連携することはできません。出品管理ツール「Amazonセラーセントラル」から売上や手数料のレポートを出力し、freee会計に取り込むことで、売上などを帳簿に反映できます。
売上管理の方法は業種によって変わります。POSレジや販売管理ソフトを選ぶ際は、会計ソフトへのデータ連携や取り込みがしやすいかも、選ぶ基準の一つにするといいでしょう。
8. 法人カードを使い、現金の管理や立替精算を減らす
現金売上がない事業では、会社に小口現金を置かず、カードや銀行振込で支払う方法をおすすめしています。現金を置くと、手元の現金を数えて帳簿の残高と照合したり、経費精算で現金を受け渡したりする手間が発生するためです。
法人カードは、利用代金が法人口座から引き落とされるものを選び、必要に応じて従業員用の追加カードも発行します。従業員はそのカードで支払い、レシートや領収書を会社に提出すれば、立替分を精算する必要がなくなります。従業員ごとに、使える用途や利用限度額をあらかじめ決めておきましょう。カードによっては、従業員用のカードごとに利用限度額などを設定できます。
現金でしか支払えないものなど、立替が残る分だけ精算する形にしましょう。経費の申請にはfreee会計の経費精算機能を利用し、承認した分を振込で精算する方法もあります。
freee会計を使う法人には、freeeカード Unlimitedをおすすめしています。利用明細の反映が早く、年会費・発行手数料が無料で、従業員用の追加カードも無料で発行できます。対象の利用で貯まったポイントは、freeeサービスの利用料に充当できます。
9. 事業用の買い物にAmazonビジネスを活用する
事務用品や消耗品をネットで購入する場合は、Amazonビジネスをおすすめしています。freee会計と連携すると、購入データと、Amazonビジネスが発行するインボイスなどの購入書類を自動で取り込めます。
楽天市場やアスクルでも、購入履歴の取り込みと、領収書・請求書の自動保存はできます。ただし、取り込んだ明細から取引を登録する際に、対応する書類を選んで紐付ける作業が残ります。
Amazonビジネスでは、購入明細と書類が紐付いているため、この作業が不要です。書類の保存だけでなく、登録時の一手間も省ける点でおすすめしています。
10. 取引先への振込をまとめて処理できるようにする
受け取った請求書をfreee会計にアップロードして取引を登録し、支払期日ごとに支払予定を管理します。振込用のファイルを出力してネットバンキングに取り込み、内容を確認して承認すれば、複数の取引先への支払いをまとめて依頼できます。
支払後に銀行の出金明細を取り込むと、freee会計が対応する未払いの取引を推測し、候補を表示します。内容を確認し、必要に応じて修正して、支払済みとして処理します。
GMOあおぞらネット銀行フリー支店の口座でfreee振込を利用すれば、freee会計から振込の手続きを進められます。振込用ファイルの出力・アップロードが不要になり、振込のためにネットバンキングを開く必要もありません。振込後は、出金明細の同期により、対象の取引が自動で支払済みとして記帳されます。freee振込は、支払管理機能を利用できる法人プランが対象です。
11. 給与計算と給与振込の方法を決める
役員報酬や従業員の給与を支払う場合は、給与計算の方法と、銀行振込の手順も決めておきます。私たちはfreee人事労務をおすすめしています。従業員がいる場合は、スマホ打刻などの勤怠管理から給与計算まで対応でき、給与明細も作成できます。
給与計算の結果から振込用のファイルを出力し、ネットバンキングの対応する総合振込・給与振込に取り込むと、複数人への振込をまとめて依頼できます。給与振込は、銀行によっては支給日の3営業日前までに手続きが必要です。銀行や振込方法によって受付期限が異なるため、支給日から逆算して準備しましょう。給与データをfreee会計に連携すれば、会計側で同じ金額を入力し直す手間も省けます。
まとめ
当面の支払いに使うカードや、金融機関への相談は設立前から準備できます
法人口座や請求書の発行は、取引先とのやり取りが始まるまでに用意しておきましょう
口座・カード・売上・給与のデータをfreee会計に連携すると、入力し直す作業を減らせます
法人カードやネット銀行を活用し、現金の管理、立替精算、1件ずつの振込をできるだけ減らす方法を考えておきましょう
よくある質問
設立前に個人で払ったものも、会社の経費にできますか?
はい。会社の設立や事業に必要で、会社が負担すべき費用は、個人で立て替えたものでも法人の帳簿に計上できます。たとえば、定款認証の手数料や設立登記の登録免許税などは「創立費」として扱います。また、設立後から事業を始めるまでの間に、開業準備のために特別に支出した広告宣伝費などは「開業費」に当たります。パソコンや設備の購入などは、金額や内容に応じて経費や資産として計上します。
支払った時点ですぐに記帳や精算を済ませる必要はありません。あとから支出の内容が分かるよう、領収書や請求書などを保管しておきましょう。会計ソフトの導入後にまとめて記録でき、役員が立て替えた分は役員借入金として計上し、あとから法人口座から振り込んで精算できます。
経理はいつから始めればいいですか?
売上の入金に使う法人口座や、取引先へ渡す請求書は、事業開始に合わせて用意しましょう。給与を支払う場合は、給与計算や振込も支給日までに対応できるよう準備します。
一方、会計ソフトへの入力を設立当日からすべて済ませる必要はありません。領収書・請求書などを保管し、準備期間の取引はあとから記録できます。最初の数ヶ月で少しずつ記帳方法に慣れ、日々の取引を定期的に確認できるようにしていきましょう。
記帳が溜まっている場合は、過去の取引の整理を税理士に依頼する方法もあります。決算直前まで待たず、早めに相談すると、日々の経理のやり方もあわせて見直せます。
関連記事
ご相談はワタリエ会計事務所へ
ワタリエ会計事務所では、freee会計の設定や口座・カードの連携に加え、請求書の発行や支払いの方法を、事業の内容に合わせて設計します。
会社設立とあわせて、設立後の経理の進め方も相談したい方は、会社設立サポートの内容をご覧ください。
この記事を書いた人
ワタリエ会計事務所 公認会計士・税理士 五反田 航
埼玉県ふじみ野市を拠点に、freeeを活用した設立直後の経理の立ち上げをサポートしています。川越市・富士見市・三芳町・志木市・朝霞市・新座市などを中心に、オンラインで全国からのご相談にも対応しています。
本記事は2026年9月時点の情報に基づきます。税制や各金融機関・freeeのサービス内容の最新情報は、国税庁・各金融機関・freee公式サイトでご確認ください。








